鳥羽中心市街地の岩崎通りと相橋をつなぐT字路角に、6月1日、“神島直送”が自慢の鮮魚店、山久(やまきゅう)本店がオープンしました。

オープンセールは神島産のタコまる1匹を500円、大きな岩牡蠣も1個500円など、大盤振る舞い。朝9時の開店と同時に地元のお客さんが詰め掛け、棚の一角を埋め尽くしていたタコ飯は、お昼までに売り切れ。

そんな大忙しの最中、オーナーの山本欽久さんを呼び止めて感想を聞こうとしましたが、帰って来たのは「なんとも言えん!」の一言。ただ表情には、いろいろな思いが溢れていたようでした。

山久本店が取り扱うのは、鳥羽本土から定期船で約40分かかる、神島に水揚げされる新鮮な魚介類。山本さんはこの島の出身で、これまで実家の旅館に勤めながら食や観光の魅力のアピールに努めてきました。

一方で、本土側に住む私たちは、市内のスーパーで神島産のものにお目にかかることはめったにありません。島の市場は県外からの買い付けがほとんどだからだそうです。山本さんは、「鳥羽に住む人や観光客にも、もっと神島の魚を食べてもらい、島を知ってもらいたい」とかねてから願っていました。そこで今回、一念発起して中心市街地に出店したというわけです。


山本さんは、鳥羽リノベーション委員会の一員であることもあって、店舗にする物件に、もと事務所だった中心市街地の空きビルを選びました。年明けから地元工務店に発注し、DIYもしてこつこつとリフォーム。約100㎡のフロアを、カウンター兼事務スペースと商品棚と生け簀のある売り場にしたシンプルな間取りです。

玄関口で目を引く神棚には、マスコットキャラクターの「タコ神さま」をお祀りしています。「100年も拝んどったら本物の神様になるやろう」と笑いながら言っていました。

鳥羽の離島と市街地をつなぐ魚屋さんの挑戦を、末永く応援していきたいですね。

山久本店

鳥羽市鳥羽1丁目2-12

営業時間 9:00~16:00*商品がなくなり次第終了

不定休